基本情報技術者試験の過去問と解説
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平成15年 春期 基本情報技術者 午前 問04
問04   情報落ち

 浮動小数点演算において、絶対値の大きな数と絶対値の小さな数の加減算を行ったとき、 絶対値の小さな数の有効けたの一部又は全部が結果に反映されないことを何というか。

ア 打切り誤差    イ けた落ち    ウ 情報落ち    エ 絶対誤差
解答←クリックすると正解が表示されます

解説

 正解は(ウ)の情報落ちである。

ある5桁の有効数字(有効桁)があるとする。そのとき、 a = 3.4567 * 103 と b =3.4567 × 10-3 という2つの数 a 、 b の和を考える。
まず、手計算をしてみると
 a = 3.4567 × 103 = 3456.7
 b = 3.4567 × 10-3 = 0.0034567
 a + b = 3456.7034567
ここで、a + b = 3456.7034567 となるが、これをプログラムで 行った場合、有効数字(有効けた)が5桁と指定しているので
 a + b = 3.4567 × 103
と表現され、実際との誤差が 0.0034567 生じる。
この様な情報が落ちる(無くなる)誤差を情報落ちという。

(ア)の「打切り誤差」とは、無限演算等の計算を途中で打ち切ったときに発生する 真値との誤差である。
(イ)の「けた落ち」とは、絶対値のほぼ等しい数が加減計算によって上位の有効数 字(有効けた)を減らしてしまうことである。例えば、有効数字が5けた同士の計算 1.2354 - 1.2345 では答が 0.0009 となり、有効数字が1けたになる。
(エ)の「絶対誤差」とは、「近似値」と「真値」の差のことである。


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