基本情報技術者試験の過去問と解説
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平成25年 春期 基本情報技術者 午後 問06
問06   5問選択

 ソフトウェア開発の品質管理に関する次の記述を読んで,設問1,2に答えよ。

 システム開発プロジェクト X では,四つの機能で構成される新規ソフトウェアを 4チーム( P 〜 S チーム)が分担して開発している。このプロジェクトでは,内部設計工程及び プログラミング工程で品質を確保し,できるだけ単体テストを含むテスト工程に欠陥を 持ち越さないよう,品質管理及び欠陥の摘出に努めている。

〔各工程での品質管理の説明〕

(1) 内部設計工程では,内部設計書の設計レビューを行う。設計レビューでは, 設計担当者を含めたチーム内のメンバ3名以上によるチームレビューを行う。

(2) プログラミング工程では,ソースプログラムのコードレビューを行う,コードレビューには, セルフレビュー及びペアレビューがある。プログラミング担当者が 単独で行うのがセルフレビューであり,プログラミング担当者ともう1名でペアを 組んで行うのがペアレビューである。セルフレビューの終了後にペアレビューを行う。

(3) 各工程における品質管理指標の基準値及び許容範囲は,表1及び表2のとおりに 設定している。基準値は,レビューの品質を判定する際の基準であり,各機能の ソースプログラム規模 1k ステップ当たりのレビュー時間又は摘出欠陥数を設定している。 許容範囲は合格の範囲を示している。これらの値は,プロジェクトメンバの過去の 類似プロジェクトでの実績データを基に設定している。

 なお,ソースプログラム規模は,内部設計工程では開始時点での見積りステップ数であり, プログラミング工程ではコーディング終了時点の実ステップ数である。

   表1 内部設計工程での品質管理指標の計画値
 品質管理指標      基準値        許容範囲  
 設計レビュー時間 3.0 時間/k ステップ 基準値の 1.0 〜 1.2 倍
 摘出欠陥数  4.0 件/kステップ 基準値の 0.9 〜 1.1 倍

   表2 プログラミング工程での品質管理指標の計画値

 品質管理指標        基準値        許容範囲  
 コードレビュー
での摘出欠陥数
 6.0 件/kステップ 基準値の 0.9 〜 1.1 倍

(4) 表2で示した値はプログラミング工程の全てのコードレビューが終了した時点での 品質管理指標であり,コードレビューの内訳として,セルフレビューが終了した時点での 摘出欠陥数の許容範囲は,基準値の 0.4 〜 0.6 倍である。

(5) 各工程では,品質管理指標の計画値と実績値との差を調べてレビューの品質を評価する。 品質管理指標の実績値が全て許容範囲内ならば,その工程での品質は合格の水準に達しているとし, 次の工程へ進む。実績値が許容範囲を外れている場合は,レビュー内容などを基に 実績値の適切さをプロジェクトリーダが評価し,適切であると判定した場合には 合格として次の工程へ進む。適切でないと判定した場合には不合格とみなし,品質確保への改善策を講じる。

設問1 内部設計工程での品質管理指標の計画値と実績値との差異分析に関する次の 記述中の に入れる適切な答えを,解答群の中から選べ。

 各チームが分担する総規模及び内部設計工程を終了した時点での品質管理指標の実績値は, 表3のとおりである。

 なお,表中の分担総規模は内部設計工程の開始時点に見積もったソースプログラムの ステップ数であり,内部設計期間中にこの値は変わらない。

表3 各チームの分担総規模及び内部設計工程終了時点の品質管理指標の実績値
 チーム   分担総規模
(k ステップ)  
 設計レビュー時間
    (時間)  
 摘出欠陥数
  (件)  
  P    40    112   168
  Q    25     88    88
  R    20     50    70
  S    15     45    60

 プロジェクトリーダは,設計レビュー時間及び摘出欠陥数の実績値がともに 許容範囲内である チームの設計レビューを合格とした。 残りのチームについては,実績値の適切さを評価して,設計レビュー時間及び摘出欠陥数が ともに許容範囲を外れている チームを不合格と判定した。

a,b に関する解答群

ア P       イ Q       ウ R       エ S

オ P と Q       力 P と R       キ Q と R       ク Q と S

解答 a ←クリックすると正解が表示されます

解答 b ←クリックすると正解が表示されます

基本情報技術者試験


設問2 あるチームのメンバである Y さんは,週ごとにコーディングした ソースプログラムのセルフレビューを,その週内で行っている。Y さんのプログラミング工程での 作業開始から4週間の週ごとのセルフレビューの実績値は表4のとおりであった。 Y さんが担当するプログラムの品質評価に関する次の記述中の に 入れる適切な答えを,解答群の中から選べ。

  表4 Y さんのプログラミング工程でのセルフレビューの実績値
      週   第1週  第2週  第3週  第4週  合計 
 レビュー規模( k ステップ) 2.5 3.5 2.0 1.0 9.0
 摘出欠陥数(件数) 8 11 8 2 29

 まず,Y さんのセルフレビューでの摘出欠陥数の4週間の合計は, 。次に, 週ごとの 1k ステップ当たりの摘出欠陥数を計算して,許容範囲による判定及び 週ごとでの変化を評価した。週ごとの 1k ステップ当たりの摘出欠陥数は,

 プロジェクトリーダは,セルフレビューの内容を評価した結果,セルフレビューを終了し, ペアレビューを実施するように指示した。

 なお,セルフレビューでの許容範囲を外れた週に関して,ペアレビューで摘出すべき欠陥数の 目標値は次のように求める。

(1) セルフレビューでの許容範囲を上回っていた週は,コードレビューでの許容範囲の 上限を上回る最小の整数値から,セルフレビューでの摘出欠陥数の実績値を 減じる値とする。ただし,セルフレビューでの摘出欠陥数の実績値はコードレビューでの 許容範囲の上限を上回る最小の整数値を超えないものとする。

(2) セルフレビューでの許容範囲を下回っていた週は,コードレビューでの許容範囲の 下限を上回る最小の整数値から,セルフレビューでの摘出欠陥数の実績値を減じた値とする。

 したがって,セルフレビューでの許容範囲から外れていた週のソースプログラム群に対して, ペアレビューで摘出すべき欠陥数の目標値は,合計で 件である。

c に関する解答群

ア 許容範囲内にある

イ 許容範囲の下限に満たない

ウ 許容範囲の上限を超えている

d に関する解答群

ア 週が進むにつれて値が段々と上がっている

イ 週が進むにつれて値が段々と下がっている

ウ 週によって許容範囲を上回ったり下回ったりムラがある

エ どの週も許容範囲を上回ることはないが下回る週がある

オ どの週も許容範囲を下回ることはないが上回る週がある

e に関する解答群

ア 7       イ 8       ウ 9       エ 10       オ 11

解答 c ←クリックすると正解が表示されます

解答 d ←クリックすると正解が表示されます

解答 e ←クリックすると正解が表示されます


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